日経平均は為替にどのように影響するのか
ニュースや新聞でよく「日経平均が続落したため円高で推移している」というような内容が書かれていることがあります。
「株価が下がると(上がると)円が買われる(売られる)」
日経平均と為替はこのような動きを見せることが多いのですが、なぜ為替の動きに日経平均が関係してくるのだろう?と疑問に思ったことはないでしょうか。
今回はその理由を分かりやすく説明していきます。
日本の株を買っている大半が外国人投資家だった!
日本の株式を一番おおく買っているのは外国人投資家です。
海外を拠点に活動している投資家のこと。ヘッジファンドなど短期売買主体の投資家から、欧米の年金基金や投資信託など長期運用を柱とする投資家まで多彩だ。オイルマネーを扱う産油国や中国系の政府ファンドなどを含めて巨額の資金を動かす投資家が多い。日本の株式市場における売買シェアは60%超と投資家別では最大で、株価形成に大きな影響力を持つ。時価総額の大きい主力株を好む傾向がある。
(※日本経済新聞より引用)
日本経済新聞でも掲載されていますが、外国人投資家の日本株式市場のシェアは60%を超え、株価の形成にも大きな影響力をもつとのこと。
日経平均と為替が関係しているのも、外国人投資家がかなり多いここが理由の一つといえそうですね。
日経平均と為替の関係
外国人投資家の視点で見る
たとえば1ドル100円の時、ある外国人投資家が1万円の株を持ったとします。
その後1ドル110円まで円安が進んだとすると、外国人投資家にとっては株を売ってできた円をドルに両替したときに為替差益がでるので損をすることになりますよね。
このように外国人投資家は為替レートが変わるリスクも常に警戒しておく必要があります。そこで日本の株を買うときにドルを売って円に変えるのと同時に円を売る両建て取引をしてリスクを回避します。
こうしておけば、もし円高円安のどちらになったとしても損失をカバーできるのです。
【ここまでのポイント】
・1万円の株を買うには1万円分の円に両替する
・為替変動のリスクを抑えるために両建てする
ここで「株を買うために円を買ってドル安円高になる動き」と「両建てで円が売られドル高円安の動き」があるなら、相殺されるから為替の値動きには関係ないのではないか?と不思議に思うでしょう。
しかし両建て取引はレバレッジをかけた場合、1万円分の投資でも数十倍~数百倍の取引ができるのです。つまり株高になると
『両替による円高の動き < 両建ての円売りによる円安の動き』
という大小関係になるので、株高円安というニュースが出てくるのです。
外国人投資家は約6割超と多いですが、必ずこの法則通りに為替が動くとは言い切れません。ただしこのように動く傾向はあるのでクロス円の通貨ペアで取引するときなどは特に株価にも注意しておくようにしましょう。
2015年02月04日時点での情報 | カテゴリ:相場分析の基本